露塵日記

東北発の食をメインとしたライフハック系雑記。

最終更新日:2018年3月3日 09時46分閲覧回数:3767

ボストンパイとたぬきケーキを求めて石巻へ

2017年秋の暖かい日、所用で石巻に行くことになり、折角なので土着の甘味と絶滅危惧種の名物スイーツも頂こうと流離った記録。復興途中の写真多し。
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検索で訪れた方々のために、まず今回の戦利品をご紹介。
画像の最後に各甘味のコメントを記す。
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まずは地元で有名な和風甘味を頂こうと、JR石巻線に乗り渡波駅で下車。
駅近くの郵便局の前を通ったところ、東日本大震災の津波高の表示板を発見。
ちょうど郵便局から出てきた女性の腰〜肩くらいの津波だったと分かる。怖ろしい。
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更に歩いたところ、くまちゃんストアなる建物を発見。
固太り茶トラの看板猫に心惹かれて近づく。
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看板猫様にお目通りを叶う。
顔にある白いバッテン柄がいなせな感じ。
それにしても何の店だったのだろうか。
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更に進むとネコの鳴き声が聞こえた。
サーフショップらしい店先にいたのは地域猫であろうか。
写真にするとどこにいるか分からない。
かつて流行した『ウ●ーリーを探せ』という本を思い出した。
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渡波駅から徒歩15分ほどにある住宅エリア。
災害公営住宅や仮設団地などがある。

近隣の甘味店を訪れたところ、店の写真も取材もNGとのこと。
理由は地元向けの商売であることと、不定休だからだそうだ。

ネット上で取材記事を見かけていたので、一見さんお断りということか、
店の了承を得ずに記事が公開され不快な思いをしたのだろうと察しをつけ、
商品を購入し丁重に礼を述べた後に店を出た。

食べ物系の記事を書かれる方はお気をつけ下さい。
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昼食に旬の鯖塩焼き定食(写真撮り忘れた)を頂いた後、近隣にある魚市場を来訪する。

東日本大震災の津波で流されたため、最新設備で再建されたという石巻魚市場はピカピカの佇まい。
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宮城県庁のWEBサイトによると、全長876メートルと国内最大級であり、
閉鎖式で空調管理された高度衛生管理型の魚市場だそうだ。
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見学可能ということで、歩道橋を通って中に入ることに。
ちょっと秘密基地テイストが漂い童心に帰る。
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消失点が描けそうな歩道橋。
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魚市場の入り口では、桃色の魚と水色の小魚たちが出迎えてくれた。
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受付事務所が2階にあるのは、上から見学できるようにするためかと納得。
広々として清潔な市場だった。
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面白いと思ったのが、魚市場前の道路。
片側2車線と思いきや、歩道に近い1車線は関係者の駐車場となっているらしい。
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天気が良いので周辺を散策すると、弁天様らしき像を発見。
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秋晴れの空を背景に佇む弁天様。
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裏側がちょっと気の毒なことになっていた。
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ひときわ大きな槌音が響いていたのは、石巻市漁協を再建している現場らしい。
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沖に目をやると、テトラポッドで作られた防潮堤が見える。
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係留している船に近づく。船が珍しくて妙に心が浮き立つ。

日本は海洋国家と言われるが、海水浴場と某展示会場以外の海を知っている人は意外と少ないのではなかろうか。
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このように係留されていた。
初めてナマのもやい結びを見たので若干興奮気味に。
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「もやい結び如きで何事ぞ」と思うかもしれないが、
異業種の技術というのは興味深いものである。
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蟹の死骸が浮いているのを発見。

ふと『淀みに浮ぶ うたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし』という
方丈記の一節が思い浮かび、いやその場合川だから、と内心で一人ツッコミを入れる。
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海辺の紫外線は秋でも厳しく、長い岸壁を歩くと汗が出てきた。
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烏会議の最中だったらしい。
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人間の気配に驚き逃げる烏たち。
秋の陽だまりを楽しんでいた所を邪魔してすまなかった。
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ようやく岸壁の終わりが見えてきたと思いきや、前方に不穏な集団が。
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烏と違ってウミネコたちは「ちっ、しょーがねーなー」という態度で道を譲ってくれた。
そして一羽も飛び立たなかったことを特記しておく。ウミネコは烏より強気と判明。
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ようやく岸壁を抜けたところ、目を疑う光景が。
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百聞は一見に如かず。
『15〜20m級の津波』とはこういうことか、と驚愕。
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更に陸地に進んだところでも、15〜20mクラスの津波が押し寄せていた。
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津波の爪痕が生々しい神社を発見。
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熱田神社と書かれた石版が地面に倒れていた。
恐らく鳥居の上に掲げられていたのだろう。
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名誉の負傷の狛犬。
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この神社は雷神を祀っていたらしい。
再建されるのはまだまだ先になりそうだ。
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熱田神社周辺はこのような風景が広がっていた。
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道路の再建もこれからであろう。
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瓦礫撤去作業も続いているようだ。
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石巻駅方面に向かう国道沿いの家にあった津波表示板。
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石巻市の中心部に向かうにつれ、時々見かけた石。
どこかの寺社仏閣で使われていたのだろうか。
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何かの建設予定地に積まれていたが、大量である。
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石巻市中心部の住宅地でも見かけた。
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JR石巻駅の北に位置する「三峯神社」でも使われていた。
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津波で数多くの神社が敷石ごと流されたということだろうか。
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数年前に頂いたことがある、平和堂のボストンパイを購入しようとしたところ、
工場だった場所に住宅が建設されていた。

周辺の菓子店で商品を購入しつつ尋ねたところ、廃業されたとのことであった。
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平和堂跡地からJR石巻駅方面に南下する。
駅近くにある「菓子の三平」さんに入る。

うっかりして店の写真を撮り忘れてしまった。
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念願のボストンパイを発見。しかもジャーマンまである。

ご店主に尋ねたところ、バタークリームが乗っているのがボストンパイで、
アプリコットジャムが乗っているのがジャーマンとのこと。
先代が店を始めた頃から作っていたそうだ。

ちなみにご店主は、仙台市の有名菓子店「ひらつか(現在は廃業)」で修行した方である。
ある時、上司がケーキの切れ端を角型に詰め、上にパイ生地を重ねて焼いたものを作り、
「どういう名前にしようか?」と弟子達に尋ねたそうだ。
修行中のご店主が、「石巻ではジャーマンと呼んでいますよ」と答えたところ、
それが採用された、という裏話を教えて下さった。

仙台近郊の老舗小規模菓子店で長方形のジャーマンを見かける確率が高いのは、
ひらつかで修行したパティシェたちが多かった為であろうか。良い話を伺った。
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更にこの店には全国的に絶滅危惧種のたぬきケーキがあった。
写真下段中央に群れをなして鎮座している。

その上、ボストンパイの隣にはバラショートとバラショコラが並んでいる。
「菓子の三平」さんはバタークリーム好きの聖地であると勝手に認定。

血糖値が許すならば「すみません、全て2個づつ下さい」と、
同人誌即売会のような買い方をするところだった。
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普段はフルーツタルトに興味ないのだが、
ここのいちじくタルト(右側の立体的な方)には心惹かれた。
しかし血糖値のことを鑑み、泣く泣く諦める。
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奥のショールームではブッセやロールケーキといった、
やや日持ちする商品が置かれていたのだが、
今回の目的とは異なることもあり泣く泣く(以下略)。
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店を出たら薄暮となっていた。
実はボストンパイを探すべく他の店にも行ったが空振りだったりと、
肉体的にも精神的にも結構ハードな行程だった。

最後に来訪した菓子の三平さんで心温まるもてなしを受けると共に、
目的を達成できたのでかなり救われた。
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仙石東北ラインなる、仙台⇔石巻を速く移動する列車で帰路につく。
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構内やホームに17アイスの自販機がある駅は学生が多い証拠。
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電車が出るまで時間があったので、車内を撮影。
ドアの開閉ボタンがあるところが東北クオリティ。
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満を持して今回の戦利品一覧。
石巻市内には、ボストンパイを取り扱う店が複数あり、
今回の彷徨では巡り合えなかった店舗も多かった。
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駅の向かい側、石巻市役所が入るマイ●ル跡地の1階で購入した、
加藤菓子店さんの茶饅頭、ボストンパイ、揚げ饅頭。

日持ちするので饅頭類は後日頂いたのだが、しっかり甘くて好感を抱いた。
特に揚饅頭のクオリティが高く、もう一つ買っておけば良かったと後悔。
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加藤菓子店のボストンパイは、サクサクしたクッキー生地の土台がポイント。
リンゴの甘煮も甘さ控えめで、バタークリームもしつこくない。
あっさり系ボストンパイを好む方や、バタークリームが苦手な方におススメ。
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ラ・シェール・アンジュさんの焼きシュークリーム、北上しぐれ、チョコレートケーキ。
どれも、イマドキの優しく控えめな甘さで、一般的に好まれそうな味であった。
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取材NGの店で購入したもの。美味しかったです。
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菓子の三平さんで購入した、ボストンパイ、ジャーマン、たぬきケーキ、キャラメルバー。
ブッセをおまけにつけて下さった。ありがとうございました。
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菓子の三平さんのボストンパイは、しっかりと甘いクラムに、しっとりしたバタークリームの
調和が取れた唸る美味さで、個人的には加藤菓子店さんより好みであった。

昔ながらのボストンパイ(ジャーマン)が欲しいんだ!!という方に激しくおススメする。
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たぬきケーキ。正確には「ぽんぽこタヌキ」。
ピントが合わないのは気が急いているからである。
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頭からガブリと齧り付く。
コーヒーバタークリームサイコー!!と絶叫しつつ、ぺろりと完食。
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うっかりしてジャーマンの写真を撮り忘れたが、しっとり重く甘いジャーマンは、
かつて仙台市の大崎八幡宮門前に佇んでいた名店「佐文」に匹敵する懐かしい美味しさであった。

また、キャラメルバーはバターのコクがみっしり詰まっており、
おまけで頂いたブッセも口中でホロホロ蕩ける食感で美味しく、
もう数種類買えば良かったと(以下略)

恐らく再び石巻を訪れることはないだろうが、出張などで再訪した際には、
菓子の三平さんにて、社内向け土産→ブッセ系、自分向け土産→生ケーキとしよう。

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