更新 2018.6.5 11:08閲覧 64550

東芝オーブンレンジER-C2の分解清掃

2005年製の東芝オーブンレンジER-C2がエラーメッセージ「C60」を数回出した後に動かなくなった。 流石に10年以上使っているので寿命だろうと思ったのだが、ならば最後に分解してみようとトライしたところ思いがけぬことに息を吹き返したので覚書。

直った理由の仮定。

  1. ケーブルを基盤から外して一日放置したのでCMOSクリア状態になった
  2. ファンの埃や蒸気排出口、ケーブル等を掃除したので接触が良くなった

何はともあれ、パンやケーキを作れるようになったので助かった。 今後は洗って焼き鈍したばかりのフライパンをレンジの上に置くのは止めよう。(←恐らく故障の遠因)

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2005年製の東芝オーブンレンジER-C2。 型落ち品で購入し、かれこれ10年以上現役だったが、 ついにエラーメッセージ「C-60」を出して動かなくなった。 ちなみに、上の茶色の汚れはフライパンを置いていたことによる錆と思われる。
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エラーメッセージを調べると、赤外線センサーの故障らしい。 記憶では、塩水につけたピーナツを180℃30分、水に浸した大豆を180℃20分で オーブン加熱した時に出ていたことから、「水蒸気でセンサーがイカれた」と推測。 やはりローストナッツや煎り大豆はフライパンで作るべきなのだろうか。
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オーブンレンジには高電圧の部品が組み込まれているため、 本気で分解するには相応の知識が必要となるが、いかんせん素人なので、 「分かる範囲で分解する」を方針に定めて作業を進める。 まずは白い外枠を外すべく、赤丸部分のネジを外す。
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前面と裏面の爪留に注意しながら外枠を外す。 レンジ本体が重いのと、床に傷をつけることを避けるために ダンボールを下に敷いたのだが、これが非常に役立った。
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外した直後の上前面の様子。 それにしても年季が入りすぎている。
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外枠を外したところ。上面から見るとこのような感じ。
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タッチパネル側を横から見る。 思ったほど汚れていなかったが、ケーブルを留めるプラスチック爪は経年劣化していた。 良質の銅線がコイルと化して大量にある様に心が躍る。
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扉の蝶番側。 作業中は気付かなかったが、何やら怪しいメッセージが書かれている。
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裏側から上面にかけて。 赤丸部分にあるネジでファンを固定している。
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裏面にファンを固定しているネジを外す。
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裏面パネルを外したところ。 やはりファンの周辺は埃が溜まっている。
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ファンを掃除しやすくするため+回転棚の上を開けるために赤丸部分のネジを外す。
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ファンのモーター用電源ケーブルが切れたり外れたりしないよう気をつける。
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扉の付け根側のネジも外す。
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赤丸が電熱器に電気を供給している部分。 ここを外すと上のステンレス製長方形箱を外すことができる。
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慣れない作業で半ば気を失いつつもステンレス製長方形箱部分を解体。 どうも庫内の熱がダイレクトに伝わらないようにするために設けられたらしい。
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電熱器を外して上に置いたところ。 この辺りで軽く意識が飛び始め、写真がロクに残っていない。
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赤丸で囲んだ部分にあったステンレス製と思しき蒸気抜き箱が凄まじく錆びていた。 (残念ながら写真を撮り忘れた) センサーがついているわけではないが、湿気の影響をダイレクトに受けると思われる。
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再びタッチパネル側に戻ってケーブルと基盤を確認。 見た限り、ショートしている様子も無く、埃が堆積している訳でもない。
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ケーブルやコネクタの色と配置を覚えておくために何枚も写真を撮影する。
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赤丸部分は恐らくバックライトの電球及び電源部分と思われる。 もしバックライト電球が切れただけならばここを修理すればよさげ。
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ヒューズらしきもの発見。壊れているようには見えない。
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基盤に詳しくない為、どこに何色のケーブルが繋がれているか丹念に撮影しつつ、 簡単に外せそうなケーブルを全て外す。
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更に分解しようとしたところ、オーブンレンジの重要箇所は特殊ネジで留められていた。 ちなみに左はトルクスネジと言う星形のネジであり、トルクスレンチという名の専用工具を使う。 また、右は六角アプセットボルトと言い、六角レンチで締めるネジ(+座金)である。 このタイプのネジは他の箇所でも使われており、プラスドライバーで開けてみたが、 固すぎて非力な人間には難しかった。 よって、他の部分を分解することは諦め、大雑把に掃除をするだけに留めた。
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次に、下の分解を行う。 左上の六角アプセットボルトは外さず、中央の四角部分を外してみる。
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裏側を開くと、回転軸のパーツがあった。 察するに四角形の基盤が軸で、円形部分が電源であろう。 特に汚れていない上、もともと回転軸に問題は無かったので、 軽く掃除機をかけた後に蓋をする。
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回転軸を横から見た図。 もし、回転しない場合はここをバラしてCRE2-26あたりをシュッとすればヨサゲ。
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裏側の電源部分アップ。 黒い電源コードの根本のネジを外して状態を確認する。 断線している気配は無かったので、再び設置する。 蛇足だが、以前使っていたオーブンレンジの電源コード根本が断線してしまい、 某家電店の修理コーナーに持ち込んだことがあったが、 修理後に再び電源を入れた途端にブレーカーが落ち、完全に壊れてしまった。 思えば修理コーナーの中の人たちは皆死んだ魚のような目をしており、 店内の空気も窓口対応の店員の態度も悪かった上、 その店の経営が悪化していた事は周知の事実だったことから 「修理するくらいならウチから新品買えや」という暗黙の意図があったかもしれない。 しばらくしてから、廃業したというニュース記事が小さく出ていた。 ふとそんなことを思い出し、今ならば電源コードを通販で購入し 自分で付け替えるだろうと考え、良い時代になったなと痛感した。 リーマンと311後に、情報量と利便性が格段に進化したのは良いことだ。
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背面パネルにファンを取り付け、外していたケーブルを再び設置。 事前に撮影した写真を元にしつつ、色を間違えないように差し込むことが肝要。
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電熱器を設置してケーブルを繋いだ後、外枠を被せる。
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組み上げた後、ダメ元で電源を入れたところ、驚くべきことに問題なく動作した。 (念の為、宅内にある全てのコンセントを抜き、レンジのみ繋いだ状態で行った) そこで、塗装を剥がさないよう気をつけながら徹底的に清掃し、現役復帰と相成った。 とはいえ、いつ寿命が来てもおかしくないので、次にエラーが頻発したら買換え時期だろう。

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